BMW 3シリーズ ツーリング(G21)試乗記

3シリーズ(E92)の事故修理中、現行の3シリーズ ツーリング(G21)をレンタカーとして貸していただきました。2週間の間借りることができたので、長距離から短距離までじっくりと走ることができました～楽しかったです!!!

@御前崎

photo by iPhone7plus

事故から休みが明け、手配されていた3シリーズツーリング(以下、ツーリング)が車屋に届きまして、愛車E92とチェンジしました。ツーリングのグレードはまさかの「320d xDrive ツーリング M Sport」でした。これはM340iの1つ下のグレードにはなりますが、標準グレードの中でも最も高いグレードになります。ああ…ありがとうございますm(_ _)m

精悍なフロントフェイスで、F系のスマートな顔も好きなのですがG系のマッシブな顔もとても好きです。フロントはキドニーグリルがF系よりも大きくなったのでローワイドなイメージですね。

対するリアですが、こちらはスマートな印象です。F系よりもこちらの方が好きかな…。ファイバーテールを発展させて、形はレクサスのようなデザインにはなっていますが横に広がるデザインで安定感が出ていて良い感じだと思いました。

運転席です。メーターはメルセデス同じく、完全に液晶化されていました。スピードメーターやタコメーターだけではなく、こうのように地図も表示できるということでかなり便利でした。ところが、時計回りじゃないタコメーターはかなり違和感があって、これはレンタル最終日まで違和感をずっと感じながら運転していました。これは慣れかな…。

ああ、あとパドルシフトが付いていました。E92ではレバーでしかシフトできなかったため、手元でシフト操作はできるのは便利でしたね。ところが、これもタコメーター見たく慣れずに結局レバーシフトを行ってしまう始末…慣れなかった…(*_*)

ハンドルはE92に比べて大きなもので軽く操作しやすかったのが印象的でした。E92を回収して運転した際、「なんてうちの車のハンドルは重いんだ…」と絶句してしまうほど重さに差がありました。

ちなみに…走行距離はなんと1192kmでした。ちょうど今年に納車されたモデルのようで、まだ慣らし期間ですね（笑）

iDriveの操作パネルは、こちらもE系やF系と大きく異なっています。とにかく印象としては平べったいなー・・・て感じでした。こういう操作パネルって、ボタンを見えない状態で手探りで操作することが多い気がするんです。にしてはこのパネルはとにかく操作しづらかったです…どこのボタンを押してるのか分からないんですもん。

シフトも同じような操作感でした。SPORTモードにしたいのに、どこを押してるんだ…?と心配になりながらポチポチする感じです。いくら言っても…これは慣れの問題なのかなあ…。

iDriveはモニターの解像度が素晴らしいですね! 地図を見るにしても何をするにしても、画面が綺麗で軽快でストレスはあまり感じませんでした。とくに音楽を聞く際にはiPhoneをiDriveをBluetoothで接続して聞くのですが、画面上に曲のジャケットが表示されたりして見やすいことこの上なしでした。

ついでに音楽もスピーカーの性能が良く上質な音でした。ウーファーの効きはとくに良くて、BASSを最大にするのをためらうほどの大きな低音が出ました。あまり進化しなさそうな音質も、スピーカーや内装等の進化でちょっとずつ変わっていってるんですね。

助手席側から見ると運転席はこんな感じでした。皮とアルカンターラのシートです。皮はやっぱり慣れないですね～夏場なのでまだ足裏が蒸れてきます…。

写真をお見せしましてなんとなーくお気づきかもしれませんが、E9X系よりもインテリアの質感は格段に向上していると思いました。シンプルで質実堅牢そうなイメージなE9X系に対して、メルセデスとまではいかないもののラグジュアリーなインテリアをまとっていて、2世代でしっかり進化していました。

リアシートです。見づらいかもしれませんがこちらも皮とアルカンターラです。結局後部座席は一度も使いませんでした。荷物を置いたくらい…かな。

センターコンソールボックスにはエアコンとUSB充電口があります。リアシートは温度調節がこのようにデジタルパネルで行えるので、操作感が抜群に良かったです。E92の場合は、アナログのボタン（うまく説明できない…くりくりと回すやつ）ですので、こういった点は進化を感じます。

トランクルームも見てみますね。

オートマチック・トランクゲート・オペレーションという、足で操作してトランクを開けるシステムがあるそうなのですが良くわからなかったので普通に開けちゃいました。今のは最上部まで自分で開けるのではなく、一度カチッとレバーを引くとあとは自動的に上げてくれるんですねー・・・すごい。

容量は約500Lとは聞いていたものの、こうやって見ると大きさに脱帽です。高さがあるので自由にキャンプ道具を積み重ねてもしっかりと収納できそうですね。こりゃいいな。

割りと便利だったのがこの滑り止めです。御前崎に友人といった際、ちょっとした荷物を積んでいたのですがこの滑り止めのおかげで、荷物が運転中にガタゴト移動することもありませんでした。今、自分のE92は百均で購入したマジックテープで抑えるタイプのものを付けているのですが、これはシンプルで羨ましい。

トランク下にトノカバーで隠されているちょっとしたスペースがありました。ただ、ほぼ修理キットや応急セットしか入れられそうにないですね…。

締める時には、この左側のボタンを押せばオッケーです。最初、それを知らずにグイグイ押しても一切閉まらずにテンパりました…。

エンジンルームです。かなり車体中央部に寄せられてエンジンが鎮座していますね。エアクリーナーの位置は過給器にレイアウトの関係でE92からはかなりズレているように見えます。

これがE9X系、F系から大きく変わったキドニーグリルです。エンジンの回転数や速度等に応じて、自動的にシャッターがオープン/クローズすることで、適切に空気を取り込むように調整できるようになったそうです。この機構が備わっているため、キドニーグリルの真裏は物々しい雰囲気金属板で覆われています（笑）

エンジンもエンジンカバーが今のモデルっぽくて格好良いですね。フロントやサイドに汚れや騒音防止用の不織布っぽいカバーがしてあります。一方、色々DIYをやってみる人にとってはひと手間もふた手間も掛かりそうで、面倒さそうです。

ちょうどエンジンカバーの上に、カーボン調の4本線があるのが見えますか? これはこのモデルが4気筒モデルということを示すそうです。対して、6気筒であれば6本に…もっと多ければ…もっと多くの線が入るらしいです（笑）

乗ってみて感じたのですが、エンジンのパワーは格段に上がっていてとくに0km/hからの加速はさすが…と思いました。うちのE92は150ps程度しか無いですしね…。たしかツーリングは180ps程度あったように記憶していまして、30psの違いはこういった面で出てくるのかと感じました。バイパスでの加速等は全くもって問題無しです。

一方、エンジンを回したときにサウンドはディーゼルからか、それともBMWの開発者に遥かに躾・飼いならされているせいなのかE92には及ばないかな…と思いました。両方とも同じ4気筒ではありますが、エンジンの心を揺さぶられるような音（4気筒ですがw）はE92に軍配があがるかな。

※以降の写真は同乗者に撮影してもらったものです※

ツーリングの一番感動した機能は、「レーンキープアシスト」です。

これは車速、ハンドルを車がアシストしてくれるというものです。一般的には、例えば白線に近づいたらハンドルをバイブレーションさせたり、ちょっと内側にハンドルを切る程度のアシストしかしない車が多いなか、ツーリング（G系等の2020年発売車両のBMWも含む）ではほぼ人が操作しているかのように車線の中央をキープしてくれます。

キープするラインもしっかりしていて、車線の中央を適切に維持してくれます。作動中、ハンドルを車線の外に少し切ろうものなら強い力で戻されます。そのくらい積極的に介入してくるものでした。

これは色々試したのですが、バイパスや高速道路だけではなく一般道でも条件が揃えば作動させることができます。条件というのは一般道では結構シビアで、白線が見えていたりガードレールがはっきりとしているようなところ…といった印象です。また、前走車がいれば厳しい条件でも使用できました。

これは画期的でシステムだと思いました。漫然と操作してしまうようなケースってやっぱりあるじゃないですか。例えば、キャンプの帰りや旅行の帰り…とか。しっかり休憩をとっていても、どうしても眠くなってしまって…うたた寝運転をしてしまって事故る。よくある話だと思います。これがあれば、可能な限りシステムでハンドルを中央に維持してくれるので、車線をはみ出してしまうような恐れはありません。眠くなってしまってうたた寝してしまうのは最悪のケースですが、車が積極的に介入してくれるので安心感があります。※絶対に寝てはいけませんが。

ハンドルを離して10秒程度経つと、ハンドルが黄色になりメーター上にもアラートのマークが出てきます。このまま放置すると解除されます。「レーンキープアシスト」という名の通り、あくまでもアシストということですね。手放し運転をできるというわけではありません。

こういった先進装備は早く一般的な普通車にも適応されると良いですね…。先日の事故と良い、最新システムで防ぐことができる事故はたくさんあると思いますので。

以上です。